日本語のできるベトナム人が受ける「日本語能力試験」とは


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ベトナムで日本語を学ぶ若いベトナム人の数は毎年増加している。その日本語学習者がみんな受ける「日本語能力試験」をご存知だろうか。日本語のベトナム人トランスレーターやコミュニケーターの採用に携わったことのある方なら、もちろんご存知のはずである。日本語の関係する職種のベトナム人の採用では必須の資格と言える。その「日本語能力試験」について一つずつ解説していこう。

 

「日本語能力試験」とは

国際交流基金と日本国際教育協会(現日本国際教育支援協会が日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験として、1984年に開始したのが日本語能力試験である。

この試験の目的は、日本語を母国語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定することである。

 

 

試験内容

「日本語能力試験」は3つの要素で構成されている。

まず、言語知識である。この項目では、日本語の文字や語彙、文法についてどのくらい知っているかを測定する。

二つ目に、読解である。自分の持つ言語知識を利用して、日本語で書かれた文面から正しく情報を得ることができるかがこの項目で測定される。

最後に聴解である。自分の持つ言語知識を利用してコミュニーケーションすることができるかを測るためである。

受験者の解答には、4つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式が採用されている。「話す」「書く」能力を測る試験科目は存在しない。

 

 

認定の目安

日本語能力試験公式ホームページによると、以下の5つのレベルに分けられる。

・幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる。

レベル 認定の目安

N1

幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。

読む
・幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章などを読んで、文章の構成や内容を理解することができる。
・さまざまな話題の内容に深みのある読物を読んで、話の流れや詳細な表現意図を理解することができる。

聞く
・幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる。

N2

日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。

読む
・幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事・解説・平易な評論など、論旨が明快な文章を読んで文章の内容を理解することができる。
・一般的な話題に関する読み物を読んで、話の流れや表現意図を理解することができる。

聞く
・日常的な場面に加えて幅広い場面で、自然に近いスピードの、まとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりすることができる。

N3

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。

読む
・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を読んで理解することができる。
・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。
・日常的な場面で目にする範囲の難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。

聞く
・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などと合わせてほぼ理解することができる。

N4

基本的は日本語を理解することができる。

読む
・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を読んで理解することができる。

聞く
・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。

N5

基本的な日本語をある程度理解することができる。

読む
・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる。聞く

聞く
・教室や、身の回りなど、日常生活の中でもよく出会う場面で、ゆっくり話される短い会話であれば、必要な情報を聞き取ることができる。

 

 

ベトナム人採用と「日本語能力試験」について

ここまで読まれてきた人の中で、最高レベルのN1を持つベトナム人は本当に日本語で会話できるのかという疑問をお持ちの方がいるかもしれない。現状として、会話能力を測る試験項目のない「日本語能力試験」では、日本語で話すことができるかどうか保証することができていない。

N1を持つ人でも読み書きだけが得意でうまく話せない人もいれば、N2やN3だが日本人と問題なくスラスラ会話できる人も存在する。あくまでも「日本語能力試験」の資格レベルは、そのベトナム人の日本語能力を測る指標の一つであり、そのベトナム人の日本語能力を網羅的に評価するものではない。

 

最後に

この記事によって、日本語を使った職業を志すベトナム人なら誰もが保有している「日本語能力試験」の資格について、理解を深めることができただろうか。この情報を少しでもベトナム人の採用時にでも役立てていただけたら幸いである。